ジョン・ウィンズレイド博士
John Winslade, Ph.D.
(カリフォルニア州立大学サンバーディノ校教授)
市橋香代(日本ブリーフサイコセラピー学会学会長、東京大学医学部附属病院)
ニュージーランドのワイカト大学カウンセリング養成コースの前ディレクター。カリフォルニア州立大学サンバーナディノ校教授、およびカウンセリング養成プログラム前コーディネーター。 現在は、同校教育学部副学部長およびカウンセリング学科教授。 北米、ヨーロッパ、ニュージーランド、オーストラリア、中東でナラティヴ・アプローチを指導している。
ナラティヴ・セラピーと調停に関する9冊の著作があり、翻訳されているのは以下の4冊(共著)。
『ナラティヴ・アプロ−チの理論から実践まで』(北大路書房)
『ナラティヴ・メディエ−ション ― 調停・仲裁・対立解決への新しいアプロ−チ』(北大路書房)
『人生のリ・メンバリング ―死にゆく人と遺される人との会話』(金剛出版)
『新しいスクール・カウンセリング ―学校におけるナラティヴ・アプローチ』(金剛出版)
Hope is a necessary construct in narrative therapy but we need to be careful how we think about it. It does not lie in the essence of persons. There are not categories of people who are hopeful and hopeless. Rather, hope lies in the stories that we use to make sense of our lives but dominant stories from the world around us sometimes interfere with our access to hopeful stories. Therapy can help us reconnect with these stories, leading to the exercise of personal agency in our own lives. This presentation will explore how to help people do this through narrative therapy.
"希望"は、ナラティヴ・セラピーにおいて必要不可欠な構成概念ですが、それをどのように考えるのかについては注意を要します。"希望"は、人々の中に本質的に存在しているわけではありません。希望に満ちた人や希望のない人という分類があるわけではないのです。"希望"はむしろ、私たちが人生を理解する上で使用しているストーリーの中に存在します。時として私たちを取り巻く社会のドミナント・ストーリーによって、希望に満ちたストーリーへのアクセスが阻まれてしまうことがあります。セラピーは、私たちが希望のストーリーへと再びつながり、個人の主体性(personal agency)が発揮されることを援助するものです。今回のプレゼンテーションでは、ナラティヴ・セラピーによるこのような援助について探索できればと思っています。
(訳:坂本真佐哉(神戸松蔭女子学院大学)、松下和香(精神障害者地域生活支援センター 風))
日本ブリーフサイコセラピー学会主催 特別ワークショップのお知らせ
ジョン・ウィンズレイド博士には、別途1day ワークショップを神戸と東京で二度行っていただくこととなっています。
●神戸ワークショップ 2012年8月27日 (月) 会場:神戸松蔭女子学院大学
●東京ワークショップ 2012年8月29日 (水) 会場:駒澤大学 深沢キャンパス
■■■ 詳細はPDFのチラシにてご確認ください ■■■