日本ブリーフサイコセラピー学会 第22回神戸大会 2012 8/24〜26

ワークショップ

日時
8月26日(日) 9:10〜15:30

本大会ではワークショップを企画しております。お申し込みの際は、申し込み書に第3希望まで必ずお書きください。申し込み状況により、受付を締め切るコースが出てくる場合がございますので、ご注意ください。

ワークショップは、お申し込み時点で第3希望まで伺います。また、ワークショップはそれぞれ先着順でお申し込みを受け付け、定員になり次第お申し込みを締め切らせていただきますので、お申し込み結果につきましては参加案内証にてご連絡いたします。なお、受付締め切り後は、当日の受付のみとなります。
第1希望を受講できない場合もございますのでご了承ください。

※当ワークショップは、臨床心理士資格更新ポイントとなります。


ワークショップ申し込み締め切り:2012年7月10日(火)

ワークショップはすべて定員に達しましたので締め切りました。

予約参加申込み

大会ワークショップのご案内

1 EMDRによるトラウマケア
市井雅哉(兵庫教育大学)

EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)は、PTSDに対して実証された効果的な心理療法として、米英を初めとして欧米各国の治療ガイドラインに掲載されています。名前は行動療法的ですが、背景にある考えは適応的情報処理モデルです。これは、クライエントの中にあるプラスの資源を活用して記憶全体の変容を図るものです。否定的な記憶を扱えるので、適用範囲はPTSDのみでなく、適応障害、抑うつ、不安障害、人格障害、解離性障害、薬物依存、愛着障害と大変幅広いものです。さまざまな精神疾患への脆弱性の一つである生育歴中の否定的な記憶(試金石的記憶)を扱えるのです。そのために、人生全体を眺め、焦点を当てるべき肯定的、否定的記憶を洗い出すことから始まります。こうした見方は、現在のDSMの見方を越えた包括的なアセスメントを可能にします。支援としては、先ず、安全感を高め、必要があれば、資源となる肯定的記憶へのアクセスを強め、対処能力を上げます。自己肯定感が高まった後に、否定的記憶を必要なだけ処理し、最後には未来の対処的リハーサルまで行います。短期間で、過去、現在、未来を扱える点が大きな魅力です。

【先着50名限定】締め切りました

2 ホログラフィートーク:最短で問題を解決する
白川美也子(横浜カメリアホスピタル)
嶺 輝子(アースシー・ヒーリング・セラピー)

 ホログラフィートーク(以下HT)は嶺輝子による独創的な技法で(嶺,2004)。この多様な疾患や状態に適応できる技法は、主にEMDRとの併用でPTSDの患者を対象に実践し、軽催眠下のトランスワーク(白川、2004)、自我状態療法(白川,2010)として報告されてきた。

 HTは、実はブリーフサイコセラピーのエッセンスがたっぷりつまった技法でもある。主訴となる情動や衝動を視覚化・外在化し、SFAの話法を用いつつ、その情動や衝動の「ほんとうはこうなりたい姿」と「そのために必要なこと」明らかにする。「そのものが、いちばん最初に身体に入ったとき」という教示を使用し、ある瞬間のホログラム記憶のボディメタファーとして現れている症状に的確に癒しをもたらす。症状は解決のための最も重要な扉。セラピストの役割は、クライエントが自我状態と対話をすることの促進のみ。クライエントは内なる資源に気づき、エンパワメントされる。学んでみたくなりませんか?

 今回のワークショップでは、昨年のブリーフサイコセラピー学会のワークショップを端緒に開始された嶺と共に開発中のプロトコルを元に、このHTを身につけることを目標にする。

【先着30名限定】締め切りました

3 ナラティヴ・アプローチ入門
森岡正芳(神戸大学)
野村直樹(名古屋市立大学)

ナラティヴ・アプローチは保健医療や人間科学の幅広い分野で関心がもたれている。研究と実践を切り離さず、個人の生きている現実を生き生きと記述しつつ、サポートにも役立ちうる魅力あるアプローチである。しかしナラティヴ(物語・語り)という概念はあまりにも多義的で、領域や研究者によっても多様で、とらえどころがない。ナラティヴの視点をセラピーに活かす立場も、ナラティヴのどの特徴に力点を置くかで、セラピーの様相は異なるが、物語という形式、構造をもとに体験を秩序づけ、その意味を再構成することに主眼をおき、クライエントの抱える否定的な体験を自己から切り離さず受容し、自己の回復へと導くセラピーの立場を広義のナラティヴ・アプローチと名づけてよいだろう。ナラティヴという概念は立場を異にするセラピーの各学派をつなぐはたらきが期待されている。ワークショップではいくつかの事例を紹介し、簡単な実習を交えながら、ナラティヴの基本的な発想を協働で探索したい。

【先着60名限定】締め切りました

4 ブリーフセラピー入門 〜明日から使えるエッセンス〜
加来洋一(山口県立こころの医療センター)
田崎みどり(長崎純心大学 ケアセンター扇町)
法澤直子(岩手県教育委員会 巡回型カウンセラー)
植木佐緒里(神戸赤十字病院 心療内科)

 このワークショップは初心者の方々を対象にしています。では初心者ってなに?ブリーフセラピーの初心者?臨床の初心者?定義は簡単で、自分が初心者だと思っているひとが初心者です。いいかえれば臨床でいろいろわからないこと、自信のないことがあるから、何かをつかんでみよう、という人はみな、初心者です。

 初心者のみなさんに本ワークショップでつかんでもらいたこと、それはまわりからみてわかりやすいサービス業を実践する基本です。初心者はクライアントだけでなく職場の人間関係にも苦労しますが、じつはこの苦労のなかにわかりやすいサービス業を実践するためのリソースがいっぱい詰め込まれています。初心者のみなさんは、職場のなかでの人間関係が変わったら、クライアントも変わったという経験をおもちではないでしょうか(いろんな意味で逆もありますよね)。あるいは初心者のみなさんが知っている、我が国のブリーフセラピーのマスターセラピストは、研修でも職場でも学会で話をしても、いつでもサービス精神を発揮していませんか。

 ブリーフセラピーの技法の習得も大切ですが、その技法を対人サービス業でクライアントのために有効に使うためにも必要なものがあります。本ワークショップでは、企画の段階から初心者にはいってもらい、「初心者のとき、こんなワークショップを受けたかった」という内容のなかに、その「必要なもの」をちりばめたていきたいと考えています。

【先着30名限定】締め切りました

5 学校に活かすブリーフセラピー 〜「ワークシート」でちゃっかり実践 〜
黒沢幸子(目白大学/KIDSカウンセリング・システム研究会)

 今回のワークショップでは、学校で役に立つブリーフセラピーが、さまざまな「ワークシート」を使うことで、ちゃっかりうまく実践できるようにします!

 忙しい現場の先生方やスクールカウンセラーの方々には願ってもないものでしょう。ブリーフセラピーの勘所を押さえ、さまざまな学校場面で、楽しくわくわく使えるシートの数々です。児童・生徒だけでなく、保護者、教員研修など幅広く利用できるうえ、その効果も抜群です。

 2012年に相次いで刊行のブリーフセラピーの学校実践書、『いじめへの解決志向プログラム』(金子書房)、『学校で使える;ワークシートでブリーフセラピー』(ほんの森出版)等の監訳・編著の立場から、選りすぐってご紹介します。これらは、すべて現場のニーズと実践から生み出されたものです。また、これまで本学会に関係してきた学校関係者の智恵の結晶ともいえるでしょう。重大な学校課題であるいじめにも、解決志向の対話と取り組みが求められています。ワークシートを道先案内人として、進めて行きましょう!

【先着65名限定】締め切りました

6 エリクソン風催眠ことはじめ
中島央(医療法人横田会 向陽台病院)
津川秀夫(吉備国際大学)

 皆さんは、エリクソンっていったいどんな人?という疑問を持ったことがありますか?そういう方がいらっしゃるとしたら、すでに僕のお仲間です。僕もその疑問を未だに持ち続けています。伝承や伝記の類はたくさん出ていますが、やっぱりそれは言葉です。映像はあるにしろ雰囲気が多少わかるくらいのものです。セラピーの中での空気感のようなものは、やはり実際にその場にいないとわからないところもたくさんあります。恐山のイタコさんあたりに手伝ってもらいたい(笑)。やはり、そのあたりは、エリクソンその人をいろいろと想像して、イマジネーションの部分で補うしかないのではないかと思っているところです。多少勘違いしても。学問じゃないから、相方の津川先生も許してくれるかな(笑)。

 そういうことで、今回のWSは、エリクソンの思想を生かした催眠で遊びながら、エリクソンはどういうことを考えていたかという妄想を膨らませてみようと思います。いかがでしょう?

【先着60名限定】締め切りました

7 システムズアプローチ入門
唐津尚子(システムズアプローチ研究所/コミュニケーションケアセンター)
奥澤朋奈(財団法人 甲南病院)
木場律志(関西医科大学心療内科学講座)

 システムズアプローチに関する書物を読むと「なるほど!」とお感じになられても、いざ書かれていることを現場で試みようとすると…何だかどうしてよいのやら?という状態になる方も決して少なくないのではないでしょうか。実際の情報収集はどうすればいいの?仮説設定ってどうすればいいの?複数の家族を目の前にしての面接って、どんなところを見たらいいの? 家族を意識して目の前のクライアントとの面接を進めるって…疑問点は挙げればキリがないかもしれません。

 そこで今回のWSでは、「不登校で身体症状もある生徒の家族」をお相手に、ご参加いただく皆さんに面接をしていただきます。とはいっても、実際に現場でやるような面接は時間の関係上、無理なので、そのようなケースに対してグループでアプローチ方法を考えていただきます。また、本当に悩みを抱えているご家族に来て頂く訳にもいきませんので、講師が長期間かけて組んだ、ロールプレイの家族にアプローチをして頂きます。その過程で、システムズアプローチのものの見方を解説していきます。

【先着40名限定】締め切りました

(敬称略:順不同)

日本ブリーフサイコセラピー学会